イラストレーター ぎすじみちさんが撮りためた地元「沖縄」
「いつか無くなってしまうかもしれない風景を
ここにとどめておきたくて」
いつもの街で見つけたノスタルジックなたたずまい。
もう消えてしまった風景。
市場・商店・喫茶店・食堂・映画館・ヴィンテージ品
沖縄レトロ建築物と面白看板……
アメリカ世を思わせる建物まで
イラストレーターぎすじみちさんが、1990年代から撮りためた
沖縄各地をめぐる味わい写真探訪シリーズ!
第一弾!『オキナワノスタルジックタウン』
●「はじめに」より
2022年、沖縄の風景もすっかり様変わりしてしまった。幼少時を過ごした1970〜80年代には、その頃でも古めかしい看板やお店がまだ多く存在していたが、2000年代頃から急激な開発が進み、古い建物はなくなって高層マンションやホテルが軒並み増えていった。
当たり前の風景がいつかは消えてしまうことを意識したのは、そんな20代後半の頃だったと思う。
更地になった途端、そこに何が建っていたか思い出せなくなり記憶とはなんと儚いものよ…と我ながら愕然とする。ならばせめて写真に記録して記憶を繋いで共有したいと思った。
しかし実際はそんな壮大な計画ではなく、ただただ好きな懐かしい看板風景やお店の佇まいをコレクションして「この書き文字いいよな〜」とニヤニヤ味わいたいだけなのかもしれない。
この本を手にされたということは、きっと貴方もこの気持ちを共感してくださるはず。
日頃はデザインを生業としている私が、日常的に撮りためてきた沖縄各地の看板や建物の風景を(独断と偏見で選び)紹介していく。そんな「ノスタルジックタウン」の風景へようこそ。
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第二弾!『オキナワノスタルジックストリート』
●「はじめに」より
昔なじみの通りを久しぶりに訪れてみると、そこに何が建っていたのか忘れてしまった空き地はパーキングになり、目新しいコンビニや高層マンションがそびえたち、あの頃の面影がだんだん薄まっていくことに心細くなったりします。記憶の風景がずっと変わらないでいてほしいと願いつつ、時代の中で新陳代謝をくりかえしていくのもまた街の進化なのだと心のどこかで思いながら…(実際に便利なその恩恵を受けていたりするわけで)。
今この時代に暮らす子どもたちにとっての数十年後のノスタルジックな風景になっていくのでしょう。
日々変化していく街の景色の中、長い時を重ねて存在する建物や直書きの味わいある看板に思いがけず出会ったらまずはじっくり眺め、そして大切な宝物を見つけたような気持ちでカメラのシャッターボタンを押すのです。
ノスタルジックだけどどこか面白い、そんな景色が集まってギュッと濃縮された本になりました。最初からでも途中からでも、お好きなページからめくってお楽しみください。
●ぎすじみち 写真・文
●著者略歴
ぎすじ みち
1996年沖縄県立芸術大学デザイン科卒業 / 1996~2008年印刷会社、広告代理店で制作担当 / 2010年頃フリーランス開始